この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
フルカラーの愛で縛って
第6章 命
夜、仕事を終えて帰宅した庵原は、単車を傾けて路地を曲がったところで目を細めた。
いつもはマンションの駐車場まで走り抜けるところを、マンション前で一旦バイクを止めて、片足をつく。
メットを外して頭を軽く振れば、植え込みに腰掛けている人物に目を向けた。
エンジン音に顔をあげた彼女と目が合うと、その表情を黙って見返す。
暫く動かずに視線を合わせた後、庵原は徐ろにメットを詩織に差し出した。

「持ってて」

立ち上がった彼女が数歩近寄り、ヘルメットを受け取れば、再びエンジンをふかし、マンションの駐車場へ車体を滑りこませた。鍵を抜いて手の中で一度放り投げると、キーホルダーを指に引っ掛けて音を立てながら、庵原はマンション前に戻った。
ぼんやりと色の無い表情の彼女からヘルメットを受け取ると、無言でオートロックの扉を開く。背後についてくる彼女を視線で確認し、エレベータのボタンを押して、やってきた機械の箱に乗り込んでから、黙ったまま、彼は彼女の肩を抱き寄せた。淡いレモンイエローのワンピースがふわりと揺れた。
その肩を、指先で軽くあやすように叩いてから、5階につくと、彼は彼女の手を引いて自宅に向かった。





鍵を開けて自宅に入り、エアコンをつける。
一度窓を開けるも、換気が済めば、すぐ部屋を密閉した。
エアコンのスイングが、ゆったり動き、室内の空気を緩やかに冷ましていく。
詩織は、初めて家に来た時のように、ソファの上に小さく丸くなって座っていた。
その様子を一瞥して、ヘルメットを玄関の棚に片付けに行き、裸足になってから、庵原はリビングへ戻った。空気の粗熱が、大分とれてきたようだ。

庵原は、ゆっくりと詩織が座るソファに足を進めた。
オフホワイトの落ち着いた色のソファは、彼の見た目からは、およそ想像がつかないような、シンプルかつ安定した色合いだった。
/91ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ