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フルカラーの愛で縛って
第6章 命
温かい感触は、眩暈がするほど甘い熱を孕む。細めた瞳を瞬かせて庵原は喉を鳴らして唾を嚥下した。骨ばった手を内股へ滑らせて、薄く遮る布越しに秘処を指先で探ると、そこは、既に湿り気を帯び、ぬかるんでいる。

「濡れてる」

低く呟く庵原に、詩織がはじらうように視線を逸らす。
一瞬の沈黙に、庵原の首筋を汗が一筋、音もなく流れた。
それ以上、何かを追求することもなく、右手をストッキングにかけると力任せに引きずり下ろす。白いレースの下着が巻き込まれるように腰骨まで降りた。
布地と皮膚の境に指をねじ入れて、強引に引っ張り、隠れていたアンダーヘアまで闇に晒す。膝まで押し下げれば、詩織は脚も満足に動かせない格好に拘束された。
一瞬、下着と蜜唇が粘糸で繋がったのを、庵原は見逃さなかった。冴えた表情をした彼の瞳の奥に、熱く爛れた光が絡んだ。

自由の利かない詩織の膝裏に右手を差し入れ、膝だけ立たせる。
太腿の奥の赤い花弁を湿った空気へ剥き出しにして、庵原の掌は詩織のへその上に降りた。細長く太い指で、柔らかい皮膚を撫で上げて、胸の上の丸い膨らみを隠す布地へ到達する。
やるせない情感に煽られて、詩織の胸が早い呼吸で上下している。
その胸を布ごと掌の中に収めて、徐ろにグッと掴んだ。

「……っ」

小さく、詩織の眉が震えた。
薄く開かれた桜色の唇から、熱のこもった息が漏れる。
庵原と視線を合わせるのを恐れるように、詩織は伏し目がちに男の手を見ていた。庵原の手によって形を変えられる胸の半球体を、理性と欲情の綯(な)い交ぜになった眼差しで、心もとなげに眺めている。
時折、思わぬ刺激に感じ入ったように小さな喘ぎを零し、腹筋に力を込めると、何の刺激も受けていない下半身の媚唇から、ねっとりと透明な愛液が垂れていく。

薄い布越しに触れる胸の突端が、固く尖り、指先に引っかかってくる頃には、詩織の甘い吐息が何度も彼の鼓膜を濡らしていた。

「あ…、は、ぁ…あ……っ」

先端の刺激に、悶えながら逃れようと揺れる肢体は、だが、彼の手に胸元を押し付けているようにも見える。何度なでつけても勃ちあがる突起を弄りながら、ぐっと背中を丸めた男が、右手は奥の丸みを弄りながら、手前の乳首に布越しに噛み付く。

「んっ……、あっ!」
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