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フルカラーの愛で縛って
第6章 命
薄く開いたままのドアから、リビングの空気と一条の光が寝室へ差し込んでいる。
申し訳程度に忍び込む冷気では冷ませない熱が、身体の奥から疼いてくる。
深まる口づけを解けないまま寝具に倒れこみ、庵原は詩織の身体を組み敷いた。
互いの汗の匂いに混じり、詩織の首元から香水のラストノートが仄かに漂う。
甘い香りに魅せられたように、その首筋の柔らかな皮膚に赤い跡を残せば、室内の温度が、また一つ上がる。
「……ぁ」
白い喉からか細い嬌声が溢れた。
一度上体を起こし、庵原は自分のシャツに手をかけると一息に脱いでベッド下に放る。
その手で、詩織のワンピースの裾を掴むと、一瞬、顔を伺う。
潤んだ瞳が僅かに揺れながら、自分を見つめている。
その表情には嫌悪も拒絶も無く、ただ縋りつくような切なさだけが在った。
首の皮一枚の理性が、情欲に押し流されそうになる。
汗ばむ室内で、一糸乱さないまま、ただ頬を赤らめた詩織の姿は、腰が疼くほどに色気があった。それまで何度も顔を合わせ、仕事中に盗み見たはずの女が、どんな記憶にも無い濡れた表情で自分を見ている。
「……」
脳の奥がふっと痺れた。
唇の端を舐めて、布を掴む指先に力を込める。裾からたくし上げると、その動きを手助けするように、詩織が腰を浮かせ、ベッドを揺らす。両手を頭上へ持ち上げさせ服を脱がそうとして、庵原は手首で衣服の塊を止めた。その塊をシーツへ押し付け、左手1本で彼女の両手から自由を奪う。
「……庵原、さん」
不安げな声が、官能的に響く。庵原は彼女の腰横に座ると、右手で白い太腿を撫で上げた。ストッキング越しに初めて触れる肉体が、薄闇の中で微かに震えながら息づいている。
申し訳程度に忍び込む冷気では冷ませない熱が、身体の奥から疼いてくる。
深まる口づけを解けないまま寝具に倒れこみ、庵原は詩織の身体を組み敷いた。
互いの汗の匂いに混じり、詩織の首元から香水のラストノートが仄かに漂う。
甘い香りに魅せられたように、その首筋の柔らかな皮膚に赤い跡を残せば、室内の温度が、また一つ上がる。
「……ぁ」
白い喉からか細い嬌声が溢れた。
一度上体を起こし、庵原は自分のシャツに手をかけると一息に脱いでベッド下に放る。
その手で、詩織のワンピースの裾を掴むと、一瞬、顔を伺う。
潤んだ瞳が僅かに揺れながら、自分を見つめている。
その表情には嫌悪も拒絶も無く、ただ縋りつくような切なさだけが在った。
首の皮一枚の理性が、情欲に押し流されそうになる。
汗ばむ室内で、一糸乱さないまま、ただ頬を赤らめた詩織の姿は、腰が疼くほどに色気があった。それまで何度も顔を合わせ、仕事中に盗み見たはずの女が、どんな記憶にも無い濡れた表情で自分を見ている。
「……」
脳の奥がふっと痺れた。
唇の端を舐めて、布を掴む指先に力を込める。裾からたくし上げると、その動きを手助けするように、詩織が腰を浮かせ、ベッドを揺らす。両手を頭上へ持ち上げさせ服を脱がそうとして、庵原は手首で衣服の塊を止めた。その塊をシーツへ押し付け、左手1本で彼女の両手から自由を奪う。
「……庵原、さん」
不安げな声が、官能的に響く。庵原は彼女の腰横に座ると、右手で白い太腿を撫で上げた。ストッキング越しに初めて触れる肉体が、薄闇の中で微かに震えながら息づいている。