パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第6章 命

脚を滑らせつつ詩織の隣に横たわり、白い項に唇を押し当てると、強く吸い付きながら身体を少しずつ下へずらした。唇の痕跡が、赤い破線のように彼女の右半身に刻まれていく。鎖骨の下に、胸のふくらみの横に、その下に、肋骨の上にも、キスマークが連なる。その間も、右手で蜜口をあやすことは忘れない。左手１本で己の上体を支えながら、右の脇腹にもキスをして、腰骨の上を舌先で擽る。

「ん、……ぁ」

開放されたはずの手から衣服を解かない詩織は、両手を頭上に投げ出したままだ。
いつのまにか目を閉じた彼女は、庵原の与える快楽に、甘く身体を委ねているようだった。
その様子に、庵原の表情が複雑に翳る。

焦らされているのは自分なのか。
優しく手に入れたいという感情と、暴きたい情動が、火照った欲に爪を立てる。
嫉妬混じりに、あの夜の男の顔が記憶に湧き上がる。

―――雄と雌の行為だ

耐え切れず、茂みの縁に強く吸い付いた。詩織の身体が腰から跳ねた。その腰を顎で押さえつけながら、右手の指を熱く濡れた割れ目の中に、ぐっと押し込んだ。

「……っん、ぁ…」

掠れた声が、庵原には催促に聞こえた。
第二間接まで難なく侵入した指で、思い続けた女の内壁を初めて味わう。ぬめった熱に理性が焼ききれそうだ。見れば、茂みの中、赤く染まった陰核が詩織の柔肌から先端を突出させている。
堪らず、その小さな性感帯に舌を這わせ、唇をすぼめて吸い付く。

「…っふ、ぁ！」

庵原の指を飲み込んだ粘膜が、誘うように淫靡に蠢いた。
心臓の鼓動に合わせるように、どくどくと収縮しては更に奥に引き入れようとしてくる。
抗わずに根本まで突き入れた瞬間、詩織の身体がビクッと震え、シーツに皺を作る。

「あっ、……あ、や…」

怯え混じりに上がる声が、庵原の舌の動きを急かす。
前歯に突起を引っ掛けながら、濡れた温かい舌で押しつぶすように苛む度、詩織の腰が、じゃれる猫のように曲線を描いて揺れた。鼻にかかった甘えるような声が、言葉にならない音を、断続的に紡ぐ。

「……ふ」