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曖昧なままに
第10章 密かに去って
こうして奈央と身体を重ねるのは、この日で三度目でになる。否、性交の回数に言及るのならば、もっと指を折ることになろうが……。つまり二人で会い行為に至った日が、これで三回目ということだった。
「ねえ、今度はさ――」
「ん?」
ホテルのガラス張りのバスルーム。二人で向き合いバスタブに浸かっていると、奈央がそう話を切り出す。
「中崎さんの部屋――行ってもいい?」
「ああ……別にいいけど。あ、でもなあ――」
「何よ。不味いことでもあるわけ?」
「いや……俺ん所、安アパートだからさ。奈央に大きな声を出されたら、隣人に迷惑かなって」
「もう!」
「イタタ……ごめん、冗談」
湯船の中で奈央に睾丸を強く掴まれ、俺は慌てて許しを請う。
「別にホテル代わりにしよう、なんて言ってないよ。だって……私たち付き合ってるんでしょ?」
「うん……」
当然ながらそれを今更、それを否定する気などなかった。
それでも奈央を部屋に招くことには、若干の抵抗を覚えているのかもしれない。また何時かひょっこりと、愛美がその姿を現すような気がして――。
しかしその可能性は、もう極限までゼロに近い。何故なら――
『その方と――お付き合いすれば、いいと思いますよ』
愛美はそう言い残して、俺との全ての連絡を絶った。忘れた財布すら放置して。それを考え合わせれば、自ずと答えは出ている。
俺の話を汲んだものか。或いは愛想を尽かしたのか。単なる気まぐれ。それとも俺の想像が至らない、もっと奥深い何か――か。
その真意はわからなくとも、少なくとも俺に固執する理由など有る様には思えない。最初から謎だらけで、続いていたのが寧ろ不思議。
その曖昧な関係を、愛美はあの時に既に終えていたのである。
「どうしたの? ボーっとしちゃってさ」
「いや……何でもない」
「ふーん。何か元気ないなあ。仕方ない――ちょっとサービスしてあげよう」
「え、ちょっと――うわっ」
「遠慮しないの――ホラ」
奈央はそう言って、俺の下に両脚を滑り込ませた。そして自分の身体に乗せ、浮力を利用して俺を持ち上げてゆく。
すっかり湯面より顔を出した、まだしな垂れた俺の局部。奈央は自慢の胸を用いて、徐にそれを包み込んでいた。
「ふふ、見えなくなちゃった。さあ私の胸で、元気におなりなさい」
「ねえ、今度はさ――」
「ん?」
ホテルのガラス張りのバスルーム。二人で向き合いバスタブに浸かっていると、奈央がそう話を切り出す。
「中崎さんの部屋――行ってもいい?」
「ああ……別にいいけど。あ、でもなあ――」
「何よ。不味いことでもあるわけ?」
「いや……俺ん所、安アパートだからさ。奈央に大きな声を出されたら、隣人に迷惑かなって」
「もう!」
「イタタ……ごめん、冗談」
湯船の中で奈央に睾丸を強く掴まれ、俺は慌てて許しを請う。
「別にホテル代わりにしよう、なんて言ってないよ。だって……私たち付き合ってるんでしょ?」
「うん……」
当然ながらそれを今更、それを否定する気などなかった。
それでも奈央を部屋に招くことには、若干の抵抗を覚えているのかもしれない。また何時かひょっこりと、愛美がその姿を現すような気がして――。
しかしその可能性は、もう極限までゼロに近い。何故なら――
『その方と――お付き合いすれば、いいと思いますよ』
愛美はそう言い残して、俺との全ての連絡を絶った。忘れた財布すら放置して。それを考え合わせれば、自ずと答えは出ている。
俺の話を汲んだものか。或いは愛想を尽かしたのか。単なる気まぐれ。それとも俺の想像が至らない、もっと奥深い何か――か。
その真意はわからなくとも、少なくとも俺に固執する理由など有る様には思えない。最初から謎だらけで、続いていたのが寧ろ不思議。
その曖昧な関係を、愛美はあの時に既に終えていたのである。
「どうしたの? ボーっとしちゃってさ」
「いや……何でもない」
「ふーん。何か元気ないなあ。仕方ない――ちょっとサービスしてあげよう」
「え、ちょっと――うわっ」
「遠慮しないの――ホラ」
奈央はそう言って、俺の下に両脚を滑り込ませた。そして自分の身体に乗せ、浮力を利用して俺を持ち上げてゆく。
すっかり湯面より顔を出した、まだしな垂れた俺の局部。奈央は自慢の胸を用いて、徐にそれを包み込んでいた。
「ふふ、見えなくなちゃった。さあ私の胸で、元気におなりなさい」