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曖昧なままに
第11章 遠くを訪ね
「……く……っ……」
そのまま弾けてしまうのを、何とか堪えていた俺だが……。
キュ……キュウ、ギュッ!
俺を咥え込んでいる奈央の孔は――大小の収縮の波を以て――執拗に全てを絞り立てようとしていた。
それに抗えずに、俺は耐えた反動により――
「あ………………おおっ!」
ドクン!
一層と激しく――――ぶちまける。
「あはぁ――中に――来てえぇるぅ!」
激烈な射出をゼロ距離で受け止めて、奈央の方も絶頂にその身を傾けた。
――ビシャア!
刹那、強固な最中の緊張が――溶けるように緩み――そこに訪れし大量の分泌。
それを満たすと力尽きるようにして、奈央はパタッと俺の上に身体を重ねる――。
「お……ああ…………」
「はあっ……うううん…………」
俺たちは身体を抱き合いながら――
ビクン……ビク…………ビク……。
結合の場所で心行くまで――互いの体液を混ざり合わせていた――。
その余韻をたっぷりと味わった後――。
「ふふ……中崎さんに私の中……いっぱいにされちゃってる」
奈央は俺を見て、悪戯っぽく笑う。
「馬鹿……できたら、どうするんだよ」
「その時は、中崎さん――私を貰ってくれるんでしょ?」
「え……それは」
じっと俺を見据えた奈央に、思わず戸惑いを浮かべる俺。
「あはは。そんなに焦らないでいいよ。大丈夫――たぶん、今日はね」
「別に焦ったわけじゃ――ないけど」
俺はそう言いながら、初めて先のことを意識していた。
もちろんいい加減な気持ちで、彼女と付き合っているつもりはない。しかしそう思っている一方で、明確なビジョンが俺の中になかったのも事実だ。
冗談めかした言葉の中に、奈央の気持ちの一端を垣間見た気がして。それを嬉しく思うと同時に、俺はやはり焦っていたのかもしれない。