この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
曖昧なままに
第2章 単なる男女
 この時間なら、まだ電車に間に合うはず。そう思いつつ、俺は駅前ロータリーに車を滑り込ませた。

 地方都市の駅舎にも、クリスマスのイルミネーションが、煌々と光り輝いている。

 しかし車を停めた後も、愛美はそれを眺めて動こうとはしない。

「どうかした?」

 そう訊ねると、愛美は少し間をおいてこんなことを口にする。

「この後……普通の恋人同士は、何をするんでしょうね?」

「さあ? 人それぞれじゃないかな」

 そんな気の抜けた返事をした時だった。愛美の一言が、突如として車内の空気を一変させる。


「セックスとか――するのかな?」


「え……?」

 思いもよらぬその言葉を、すぐには咀嚼できずに俺は唖然としていた。

 すると、追い打ちの如く――

「――!?」

 シフトに置かれた俺の手の上に、愛美が自分の右手を重ねる。冷ややかなその温度を感じて、俺の胸が激しい音を鳴らし始めた。

「……」

 少し俯き押し黙った愛美は、流れ落ちる前髪によって、その表情を窺わせてくれない。

「あ、あの……」

 重ねた手の真意を量れずに、上ずった声を洩らす俺に――。


「私に……教えていただけませんか?」


 いつもより低い声で――愛美がそう囁いていた。
/177ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ