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曖昧なままに
第9章 乗り移りし妹
 まだ潤んだ瞳を向け、アイナは甘くそう囁く。

「アイナ……」

 如何にその設定に殉じているとは言え、それが虚構であることを頭から消し去られる筈もない。それでも尚、アイナの言葉は高度な昂揚へと俺を誘う。幸か不幸か知れないが、俺に実の妹がいたのなら、同様の心境には至らなかっただろう。

 俺の覚えた興奮は、アイナによって築かれた背徳感により倍増していた。一方でそれを犯すことに、リスクがないことは理解している。だから「いいよ」と言われれば、俺を遮るものは何もないような錯覚を受けた。

 俺はアイナを抱き寄せ、今度は強く唇を重ねる。

「あっ……そん……なに」

 荒々しく吸い上げ舌を口の周りに這わすと、アイナは困ったような声を洩らした。両手で制服の上着を脱がせ、そのまま倒れゆく身体に被さり唇を貪る。それに応じたアイナも控え目ながら懸命に、チロチロと舌を絡ませていた。

 徐々に深まるキスを交わし。俺はアイナの身体を弄ってゆく。

 清楚さの証の如き胸元のリボンを解き、白いブラウスのボタンを一つづつ外す。それを開け放ち顕わになる、淡い黄色のブラジャーに覆われた小振りの胸。

 それを目にして、俺は堪らずにそのふくらみに顔を埋めた。

「は……はあ、あっ……」

 寄せるように揉み、そこにできた谷間をツウッと舐める。更に荒々しく揉みしだくと、次第に擦り上がるブラジャー。

 それに、弾き出されるようにして――

「あぅ!」

 ピン――と姿を見せた、アイナの張りつめた乳首。
 
 俺は反射的に、パクッとそれを口に頬張った。たっぷりと唾液を満たす口内で、その突起をぬらぬらと舐め尽くす。同時にもう片方の頂点を、指の腹を用いクリクリと弄ってゆく。

「やあっ……んん……だ、だめぇ……」

 時折、身体をピクピク震わせながら、必死に快感に抗うようなアイナ。しかし両胸を執拗に責め続けると、その身を委ねるように力が抜けていった。

 すると――

「ううん……お兄ちゃん……少し待ってよ」

 アイナは身体を起し立ち上がると、ベッドへと腰を掛ける。

「アイナ?」

 それから、俺に見せつけるように、制服のスカートをゆっくりと捲ってゆく。白い太ももの奥から、チラリと覗く下着――。


「今度はココを……して」


 やや紅潮させた顔をそっと傾げ、アイナは可愛くも怪しく微笑みを向けた。
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