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曖昧なままに
第9章 乗り移りし妹
 あくまで兄妹の話に照らし合わせつつも、その内容はつまり――。


『もしルールを破ったら?』

『――それで最期です』


 それは愛美が俺に対して、最初に『ルール』を示した時の会話と同じものだった。

「……」

 覚悟――そして『最期』とは、一体どんな意味を指し示すものなのか。俺はその意図が掴めずに、黙って愛美の顔を見つめていた。

 否――その意味がわからなくとも結局は、そういうことなのではあるまいか。愛美がアイナであろうと、それは変わらない。すなわち彼女は、俺との最後の一線を拒んでいるに過ぎない。その為の、ある種の脅し文句を並べているだけ。

 しかし俺の仮定は、その直後に突き崩される。

「お兄ちゃん――」

 愛美はそう呼ぶと、俺自身を右手で握り――

「ほら――いつでも」

 その先端を、自らの入口へと押し当てた。

「……!」

 十分な液で満たされたソコは、既に迎えるが如く。柔らかな肉壁がくちゅりと開き、亀頭に絡みつかんばかりである。もう僅かに腰を落とせば、交わることとなろう。

 その感触に心身を震わせ、俺はもう欲望を満たすことだけに奔ろうとしていた。

 だが――クッと腰に力を込めた瞬間――

「覚悟は――できたの?」

 愛美は再び、それを問う。

 そう――愛美が俺に求めたのは、一瞬の快楽に溺れることではなく決意の上での行為。

「わからない……。俺はどう覚悟すればいい?」

 焦り戸惑う俺に、愛美は静かに話す。


「私のものとなり――その最期を迎えること」


 その時の顔は、愛美ともアイナとも異なる、俺の知らない表情だった。

「う……」

 醸し出す俄かな迫力に気圧され、思わずそれに怯んだ俺。

 その心を見透かすように、虚ろな目をじいっと差し向けた愛美。そして、追い打ちをかけるように、その言葉を言い放った。


「さあ、覚悟して――そして、私を貫くの」


 ――どれ程の時間だっだろう。

「……」

 蛇に睨まれた蛙宛ら――。愛美の瞳に見据えられたまま、俺は硬直したように身体を動かすことができなかった。

 そして、皮肉なものである。

「あれ? お兄ちゃんの萎んじゃった……」

 無邪気なその言葉は、痛烈なまでに心に刺さった。

 硬直した身体に反するように。固く膨張していた一部は、役割を果たせないまでに縮み上がっている。
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