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35
第3章 変化
人は脆くて壊れやすい
心も身体も…
男女や大人だからとか関係なく
人が聞いたら
「それっぽっちのことで」
なんて理由で消えてしまいたいと本気で思っていたり
いつも明るく笑顔を絶やすことのない人が
本当はそれ自体をすごくすごく無理していること
人それぞれのその心の器は大小さまざまで
自分でそれがどんな大きさなのかも
今どれくらいでいつそこが溢れそうなのかも
分からないんだと
みんなより少し早めに社会に出て
いろんな人に出会えたことで知った
私は自分のことを話すことや
家庭のことを聞かれるのが苦手なせいか
いつもいつの間にか聞く側に立っていた
何事もなかったかのように振る舞い
人を怖がらず
完全に閉じ籠らずにいることが
あの日から自分を保っていられる唯一の方法だった
私は自分の心の器をもっと深く大きくしたいと
負けたくないと
意地になって心の奥に蓋をしたまま歩いていた
彼といることで
彼も私も変われたらと
強い決心が生まれていた
そのせいか
やがて彼に手をあげられるようになっても
私はそこから動けないままでいてしまった…