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第3章 変化

彼の毎日に
感情の波が少しずつ出てくるようになった

小さい頃からワガママや甘えを
飲み込んでばかりいたせいか
私は自分の感情を抑えるのが苦手ではなかった

それがかえって彼を刺激してしまう

「なんでいつもそんなに冷静でいられるんだ」
「俺のことそんなに好きじゃないんだもんな」
お酒を飲んだ彼がいつも言った

私はいつも

「そんなことないよ」
「好きだから一緒にいるんだよ」
と彼をなだめていた

電話やメールも異常なくらい頻繁だった
私はそんな毎日に少し疲れてしまっていた

ある日友達の結婚式の話があって
出席したいと言った私に

「だめだ
結婚式とか二次会なんて…他の男がたくさんいる」
と言った

私は思わず

「そんなに私が信用できないなら
一緒にいる意味なんかないよ
疲れるよだからもう別れよう」
と言ってしまった

彼はテーブルの上のビールや食事を
乱暴にひっくり返し立ち上がると私の側に来た

「不安なんだよ、
助けてくれよ…
自分で自分が嫌になるけど
でも別れたくないんだよ」

私は泣きながら訴える彼を
可哀想だと思った

私の奥にあった
決して誰にも吐き出せなかった
似たような気持ちを
彼から見せられたことに何故か安心してしまった

彼は私がいないとだめなんじゃないかと
そう思った

私をこんなにも必要としてくれていると
歪んだ愛情だと分からずに
受け止めようとした

うつむいたまま肩を落として床を見つめる彼に

「分かったよ、別れるなんて言ってごめんね」
と言って頬にキスをした


きっと彼は全てを吐き出せたから
少しは安定できるかな

早く穏やかな日に戻りたいな
そう思っていた


シャワーを浴びて戻った彼が私をベッドに誘う

「俺どうかしてるよな、本当にごめんな」
彼の言葉に

「大丈夫だよ
大丈夫だから…」
と私が言うと

彼は私にキスをした

そのまま何度もキスをした

そしていつの間にか眠っていた






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