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第4章 依存
私はぼんやりしたままシャワーに向かった
うずくまって頭からシャワーを浴びると
声を上げて泣いていた
「うわぁぁぁぁぁぁ」
頭が真っ白になって
手足が震え
息が上手にできず
胸のあたりが気持ち悪くて
もどしてしまう
「大丈夫?大丈夫?開けて」
バスルームのドアの鍵を彼が開けようと
しているのが分かって
「お願い開けないで!少し一人にして!」
私は叫んでいた
身体がガタガタ震えて収まらない
浴槽にお湯を張って身体を沈める
自分の鼓動が早くなりすぎているように感じ
息苦しくて意識して深呼吸をするけど
上手にできない
「もういやだ!いやだよぉ!わぁぁぁぁぁ」
気が付いたら叫んでいた
ハァハァと息苦しくて
どうして良いか分からない
気がつくと彼がバスルームの鍵をこじ開けて
私の身体をふき
ベッドに運んでいた
身体が強ばってしまって
全身に力が入っているのが自分で分かる
寒さは感じないのにガタガタと歯が鳴ってしまう
水っぽい汗が全身から吹き出して気持ち悪い
「大丈夫?救急車呼ぼうか?」
「おい!おい!」
苦しくて声が出せなかった
そのまま私は彼に車に運ばれ病院に行った
そこからは良く思い出せないけど
私はこのままもう死んでしまうのかな
とそんなことを考えていた
目が覚めると彼が心配そうに私を見ていた
病院のベッドで
心電図や点滴の処置がされていた
看護婦さんに
「話できる?」
と聞かれ私がうなずくと
お医者さんが来て私の横に座った
「今検査してるけどね
異常はないから点滴が終わったら帰れるよ
どういう風に苦しくなったか説明できるかな?」
私は彼が側にいたせいか
全てをそのまま話す気にはなれなくて
彼と喧嘩をしてしまい
感情的になったらこうなってしまったと
その時の症状を伝えた
「症状からするとね…
パニック障害というものに症状がそっくりなんだけどね…」
「えっ!」
彼が驚いた顔をして立ち上がった
「今少し点滴に安定剤も入れてあるから
落ち着くと思うよ
もし症状が続いたり
自分で気になるようなら別の科で
みてもらったほうが良いかもしれないね」
私はやっぱり
と思った
はじめてのときのあの夜
同じ感じになったことがあった
眠れない中インターネットで調べたとき
「パニック障害」
という名前にたどり着いていたことを思い出した