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第4章 依存

どうしよう誰にも言えないと
16歳の私は無力だった

数日間部屋に閉じこもり
何かを無理矢理振り払うかのように
それからは友達と昼も夜も遊び歩いていた

一人でいると思い出してしまうからと
一人を避けた

ただただ
逃げるように騒いで遊んで
結局入学が決まっていた
高校の入学式にも行かなかった

それを知った父がカラオケボックスや
ゲームセンターで私を探しまわっていると
友達から聞いた

仲の良い友達は
父が怖いことや私に手を挙げることも知っていた
中学時代友達が迎えに来る朝
怒鳴られ手を挙げられる私を何度も見ていたからだ

私はずっとずっと父が大嫌いだった

庭には大きな松の木と
庭師が手入れした木々が並び
6部屋もある家の中にはいつもパートに疲れた母と
私だけだった
歳の離れた兄弟もいたけど
早くに家を出てしまっていた

幼い頃は自営業の父は忙しく
日曜日も祭日もなく
朝早く出かけ深夜に帰宅することが当たり前だと
思っていた
小学校に上がる頃にはそれがみんなの家とは
少し違うことを知っていた

一年生になった年の夏
私は母の自転車の後ろに乗せられ
父の会社に行った

「ちょっとそこで待っててね」

道路向こうの会社に入って行く母を
自転車の横に座り込んで見ていた

ぼんやり母が戻るのを待っていると
父の会社から知らない女の人が飛びだして来て
走って出て行った

そしてその後ろを母が必死に追いかけ
最後に父が追いかけていった

なんとなくとんでもないことが起こったことは
分かっていた

その場でずっと待っていたけど
母も父も戻って来なかったので
私は歩いて帰ることにした

「明日はプール開きなのに
プールの支度どうしようか…」
と不安になっていたことを良く覚えている

一時間ほど歩いて家に帰ると
高校から帰宅した兄がいた

「どうした?一人で」

と聞かれ
今見てきたことをそのままに伝えた

そのとき家の電話が鳴り
母か父と話したであろう兄が
今まで見たことのない深刻な顔で
電話を終えると
私にゆっくりと話をする


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