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第4章 依存

空を見上げたのは
いつぶりだろう

16歳の夏休み
みんなで海で一日遊んで
夜は花火をして
堤防に寝転んで

いくつも見える流れ星に
はしゃいでいた

みんなが必死で願い事を三回言おうとしていた

私は何も思い付かなかった

あの夜流れ星は見えなかったけど

私は強くなろうって
自立して生きていこう
そう思った

私は真夜中だったのでしばらく迷って
真美に公衆電話から連絡をした

引っ越し目前で深夜まで片付けをしていたという
真美は車ですぐに駆け付けてくれた

ババくさいパジャマに真っ赤なダウンを羽織り
前髪をちょんまげのように留めて
コンタクトを外し
牛乳瓶の底のような眼鏡で必死に私に駆け寄る姿を見て

私は爆笑した

「ちょっと!それないよ~
反則だよ、もう泣けない」

「も~急いだんだから!笑わないで
寒いから早く車に行こう」

その夜は真美の家に泊めてもっった

大きなお屋敷の中二階にある
真美の部屋は懐かしくて暖かくて
疲れていた私はぐっすり眠った

翌朝真美が言った

「荷物…
一緒に引き取りに行こう
何もないのはさすがに無理だよ」

私は拒絶した

「正直言って彼が心の底から本当に怖い
もし真美にも何かされたら嫌だし
私も二度と顔も見たくない
荷物なんて服とかお化粧品くらいだしみんな彼が買ってくれたものだからもういらない」

私は何もいらなかった

実家に忍び込めば必要なものは揃うし
真美に連絡するまでに考えていたことがあったから

もう二度とあの部屋には行かないと決めていた

真美の引っ越しは一週間をきっていた
それまでいて良いよと
いっそ一緒に都内に行こうと
言ってくれていたけど

彼がもし私を探すとしたら実家と地元の遊び場と
真美の家だろうと確信していた

だから迷惑をかけたくなくて
少しでも早く遠いところに行こうと決めていた

だから真美にお願いをした

一人で外に出るのが不安だから
車で一時間半程かかる私の知り合いの家まで
すぐに送ってほしいこと
その前に服やお化粧品の買い物に付き合ってほしいこと

なぜそこへ行きたいのか
明日からどうするつもりなのか

真美に安心してほしくて

私は正直に伝えた











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