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女は抱かれて刀になる
第6章 明日も、あさっても
病院から自宅へ戻った虎徹を玄関前で待ち構えていたのは、鬼の形相をした友人、吉行だった。
「てっちゃん……あんた人の携帯に勝手な伝言残して、何やってたのよ!! なんか怪我してるし! っとにバカなんだから!」
吉行は野太い怒鳴り声で虎徹に迫るが、虎徹は耳を塞ぎ目を逸らす。馬耳東風の態度に吉行は呆れ、大きな溜め息を漏らすしかなかった。
「あの……ごめんなさい。虎徹が無茶したのも、怪我したのも全部ボクのせいです」
一方和泉が虎徹の陰から沈んだ様子で謝罪すると、吉行は慌てて首を横に振る。
「和泉ちゃんが謝る必要はないのよ! 悪いのは、ぜーんぶ一文字のロリコン野郎なんだから! ――それと、ワタシ達、警察のね」
「え?」
「ワタシ、きちんとあなたに謝りたかったの。一般市民を守るのが警察の本分なのに、結局ワタシ達は何もしなかった。あなたがいずれ一文字に傷つけられると目に見えていたのに、まだ事件にはなってないからって、動かなかった。それは、警察という組織の怠慢だわ」
大きな体を折り曲げ謝る吉行に、和泉は虎徹の陰から飛び出し頭を上げさせた。