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深海のパンツァー
第5章 *4*レジーナ
***戦前***
レオンハルト家―-深夜
レジーナは屋敷を静かに抜け出す。
手荷物ひとつで玄関から出る。
月明かりを頼りに進んで振り向いた。
5年間。
10歳から仕えた屋敷。
瞳を閉じて屋敷に一礼する。
そして踵を返して街道に出る道を目指して歩く。
「どこへ行く?」
その聞きなれた声にレジーナは振り向く。
ジョルジュが追いかけてきた。
心の中でこの光景を想像していた。
でも、彼女は走る。
彼とは逆方向だ。
それでも捕まり、あっけなく大樹の幹に押し付けられる。
「なにをするの。離して!」
レジーナは身体をこわばらせ、ジョルジュを睨みつけた。
男性とこれほど近くで接したことなどなく、息が詰まる。
それも叶わぬ恋の初恋相手だ。
レジーナが家出をする。
わかっていたからジョルジュは夜になると部屋を抜け出し、玄関近くの部屋にあるソファーで毎日就寝していた。
「私は新しい奉公先に―-」
「行く必要などない!」
レジーナはジョルジョの腕のなかから抜け出そうともがく。
レオンハルト家―-深夜
レジーナは屋敷を静かに抜け出す。
手荷物ひとつで玄関から出る。
月明かりを頼りに進んで振り向いた。
5年間。
10歳から仕えた屋敷。
瞳を閉じて屋敷に一礼する。
そして踵を返して街道に出る道を目指して歩く。
「どこへ行く?」
その聞きなれた声にレジーナは振り向く。
ジョルジュが追いかけてきた。
心の中でこの光景を想像していた。
でも、彼女は走る。
彼とは逆方向だ。
それでも捕まり、あっけなく大樹の幹に押し付けられる。
「なにをするの。離して!」
レジーナは身体をこわばらせ、ジョルジュを睨みつけた。
男性とこれほど近くで接したことなどなく、息が詰まる。
それも叶わぬ恋の初恋相手だ。
レジーナが家出をする。
わかっていたからジョルジュは夜になると部屋を抜け出し、玄関近くの部屋にあるソファーで毎日就寝していた。
「私は新しい奉公先に―-」
「行く必要などない!」
レジーナはジョルジョの腕のなかから抜け出そうともがく。