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第3章 父の行方

暫く 沈黙が続くリビング。


その沈黙を最初に破ったのは心和だった。



「あの……昨日…父から…私を買い取ったと言ったのはどう言う意味ですか？」




「そのまんまの言葉だ…お前のオヤジは再婚するらしい…。」


「えっ……？父が…再婚…？」


「どうやら初耳らしいな…それで父親はお前が邪魔になったらしい…再婚相手にどうやら赤ん坊が出来たらしくてな。」



「赤ちゃ……ん？……」



「そして、これから三人が幸せになるのにお前は邪魔で…幸せになるのには金が必要だろう……だからお前のオヤジは自分達の幸せの為にお前を俺に売ったんだ」




「ハ……ッ…私は…たった一人の肉親に売られたの？……再婚…の為に。」


両手でたがっていたペットボトルがペキペキと凹む音がリビングに響いた。


その音はまるで…心和の心の壁が壊れたようにも思えた。


怒りと悲しみに溢れた心和の心。




「けして…裕福じゃなくても…貧乏だけど父娘として幸せな生活だと思ってたのに…父にとっては…そうじゃなかった……。」



父は私を捨てた……。


その事が頭のなかで何度も何度も木霊した


「心和…父親のことは忘れっちまえよ…。」