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第1章 出会い

「あ…ぁ…っ」


普段なら何とも思わないフランス人形なのに、暗闇で見る人形ほど不気味なものはない。

それに、あの噂…。

ここは、人形屋敷で人形に捨てられた人形達がここで…。



梓から聞いた噂を思い出した私は一気に恐怖に包まれた。

さっきまで全く信じてなかったけど、こんなものを見つけてしまったら…。



やだ…っ、もう帰ろうっ。

もう写真は充分撮ったし、今度また明るい時に来ればいいや。

こんな不気味なとこ、もう1秒だっていたくないよ…。



震える足に鞭を打つように必死にその場から立ち上がろうとした。

こ、怖くて足が言うことを聞かない。

梓やさっきの女性の言うことを聞いてこんなところ来なければよかった。

自転車はパンクするし、人形を踏んで転んじゃうし…。



さっさと帰って携帯の写メを見ながら絵を━━━━━━━━



足元に落ちた携帯を拾おうとしたその瞬間









バチンッ！！

「━━━━━━━━きゃあああぁぁぁぁぁぁっ！！」








後ろ、腰辺りに走った電気音と激痛。

その衝撃に、私の意識は一瞬で吹っ飛んでしまった。















運命の歯車なんて簡単に狂ってしまう。

それは、ある日突然、何の前触れもなく。