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Dolls…
第10章 美しき獣
あんな人に助けなんか求めたくない。
今は頼る人がいないから椎葉さんの顔が頭に浮かんでるだけだ。
私は、あんな人のことなんて……っ。
恐怖に怯えながらも必死に自分を否定した。
あんな人の事など何とも思ってないと。
窓の外では、激しい雨が降り続き、風は勢いを増すばかり。
まるで化け物の声のような風の音が、恐怖をよりいっそう大きくして行く。
そして━━━━━
プツッ……
「え…?な、何……?」
突然、さっきまで明るかった室内が真っ暗になった。
驚きのあまり布団から顔を出して辺りを見渡したが、そこは真っ暗な闇の中。
雷が落ちたのかどうかはわからないが、どうやら停電したらしい。
嘘…、停電…?
こんな時に冗談じゃないっ!
ただでさえ怖くて不安で仕方ない時に停電なんて…。
例え曇り空でも夕暮れ時なら多少は明るいはずなのに、部屋は既に真っ暗。
それほどまでに雨雲が分厚いなのか、気づかぬうちに夜になっていたのか。
「あ…、っ」
恐怖を振り払うようにベッドを降りて壁に埋め込むように付けられた照明灯のスイッチを押した。
停電してるのだからブレーカーを調べなくては解決しないが、それでも祈るような気持ちで…。
パチンッ、パチンッ、パチンッ!
「……もう」
何度もスイッチを押すが、部屋の照明灯は付かない。
やっぱりブレーカーの問題だ。
だけど、この広い屋敷の何処にブレーカーがあるかなんてわからないし
様子を見に行きたくても停電してるこの屋敷の中を1人で歩くなんて絶対無理だ。
恐らく、廊下の電気もやられてしまってるだろうから。
今は頼る人がいないから椎葉さんの顔が頭に浮かんでるだけだ。
私は、あんな人のことなんて……っ。
恐怖に怯えながらも必死に自分を否定した。
あんな人の事など何とも思ってないと。
窓の外では、激しい雨が降り続き、風は勢いを増すばかり。
まるで化け物の声のような風の音が、恐怖をよりいっそう大きくして行く。
そして━━━━━
プツッ……
「え…?な、何……?」
突然、さっきまで明るかった室内が真っ暗になった。
驚きのあまり布団から顔を出して辺りを見渡したが、そこは真っ暗な闇の中。
雷が落ちたのかどうかはわからないが、どうやら停電したらしい。
嘘…、停電…?
こんな時に冗談じゃないっ!
ただでさえ怖くて不安で仕方ない時に停電なんて…。
例え曇り空でも夕暮れ時なら多少は明るいはずなのに、部屋は既に真っ暗。
それほどまでに雨雲が分厚いなのか、気づかぬうちに夜になっていたのか。
「あ…、っ」
恐怖を振り払うようにベッドを降りて壁に埋め込むように付けられた照明灯のスイッチを押した。
停電してるのだからブレーカーを調べなくては解決しないが、それでも祈るような気持ちで…。
パチンッ、パチンッ、パチンッ!
「……もう」
何度もスイッチを押すが、部屋の照明灯は付かない。
やっぱりブレーカーの問題だ。
だけど、この広い屋敷の何処にブレーカーがあるかなんてわからないし
様子を見に行きたくても停電してるこの屋敷の中を1人で歩くなんて絶対無理だ。
恐らく、廊下の電気もやられてしまってるだろうから。