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Dolls…
第11章 人形の瞳は…
「シュウちゃ…っ」






身体中に血液が流れ込んで来るような、温かい気持ちになった。

忘れかけてたこの感覚。




そうだ…、私は人形なんかじゃない。

涙も流すし、感情だってある、普通の人間だ。

この屋敷に来てから私の心は可笑しくなりかけてたけど、シュウちゃんの存在と手の温もりが私を導いてくれる。

私を生き返らせてくれる。

今感じてるこの手の温もりは、紛れもないリアル。

温かい、生きてる証。


シュウちゃんの方へと視線を向けた。

涙が滲んでちゃんと見れないけど、改めて見るシュウちゃんの姿。



地元を出る前に見た姿と全然変わってない。



焦げ茶色の髪の毛に長めの前髪を垂らして、東京に来るためにお洒落をしたのかピアスまで付けてる。

それに、ちょっと焼けたのかな?

肌が少し黒い。

…本当に懐かしい。

何年と経った訳じゃないのに、どうしてこんなにも懐かしいんだろう。

シュウちゃんの姿を見てるだけでも懐かしさでまた涙が滲む。

私より遥かに背が高いシュウちゃん、見上げなきゃ視線すら合わせられない。


すると、私の頭を撫でながらシュウちゃんは私の今の状態を気にし出した。

本当はさっきから気にはなっていたのだろう。



「…つーか、何なんだよこの屋敷。梓ちゃんから聞いたけど、あんまりいい噂のある屋敷じゃねぇんだろ?」

「……うん、まぁ…」

「パッと見、無人だと思ったけど…、電気が点いてるって事は人が住んでるって事だろ?」

「……うん」

「お前、ここで何してんだよ。それに、何だよその服…」

「あっ、これは…」


その時、私が着ていた服を見てシュウちゃんは怪訝そうな顔を見せた。

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