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Dolls…
第13章 暖かな腕の中
ダイニングに足を進ませながら周りをキョロキョロと見渡している。

天井に吊るされた大きなシャンデリア、大きなテーブルに、テーブルの上に置かれたキャンドル。

部屋中の装飾品をあちこちと見てる。


テーブルの上にはいつも通りの豪華な食事が2つ並べられていて、少し離れた位置にも1つ。

合計3つの食事が用意されていた。


「何だこれ!こんな洒落た晩飯、初めて見たわ!」

まるで呆れたかのような笑いを浮かべながらディナーに目を配っている。

恐らく2つ並びで用意されてる食事、あれは私とシュウちゃんの分だ。

シュウちゃんと並んで食べろって事…?



「━━━━━っ!」

「ほら。椿も座れよ。体調不良だろ?」


座れよ…って、ここは椎葉さんの屋敷なのに…。


そう言ってシュウちゃんは先に席に付き、自分の隣の席の椅子を引き私を誘ってくれている。

だけど、私は…。


「あ、あの…っ」


焦る私…。

それと同時に心臓が高鳴り嫌な汗が再び背中を伝う。



「立ってるのも辛いんだろ?」


確かに、歩き疲れて立ってるのも辛い。

大きな屋敷だけど脱衣場からダイニングまでそんなに距離はないはずなのに。



今すぐにでも座りたい…、油断すればこの場に倒れ込みそうだ。


だけど、シュウちゃんの隣に座ったら…。


「わ、私は…、その…っ」

「ん?どうした?」


はぁ、はぁ、はぁ…━━━━━っ。




シュウちゃんは空腹のはずだし早く席に付かないと食事が出来ない。

ここまで来るのにも文句も言わずに私の歩幅に合わせてゆっくり歩いてくれた。

だけど





ダメ…。

こ、このままじゃ…。

目の前がボヤけて、目眩までしてる。

体が熱くて、もう━━━━━。



「あ……っ」

「椿っ!?」


膝の力がガクッと抜けて、その場に倒れ込みそうになった。

壁に体を預けてたので何とか耐えたが、今はこの壁に寄りかかってないと…。






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