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Dolls…
第14章 幼馴染み
「シュウちゃ…、まさか…。う、嘘でしょ…?」
お願い、誰か嘘って言ってよ…っ。
脱衣場でも声を圧し殺し下唇を噛み切るほどに噛み締めて我慢したのに…。
身体中が痙攣を起こしたかのようにガタガタと震え出す。
恐る恐るシュウちゃんの方へ視線を向けると、シュウちゃんは顔を真っ赤に染めながら私から顔を反らしている。
そのシュウちゃんの態度を見て、確信した。
「お前が心配だったから…っ、つい後を尾けて…っ」
━━━━━━っ!!
やっぱり
シュウちゃんは全てを見たんだ…。
口頭で聞かされたんじゃない。
その耳で聞いたんじゃない。
目で見たんだ。
シュウちゃんの目で、全てを見たんだ。
これじゃ、誤魔化しようがない…。
どんなに惚けても、シュウちゃんは見たんだから。
真実を全部
その目で━━━━━━。
「あ…、あ…っ」
どんな言い訳も通用しない。
シュウちゃんはこんな山奥まで私を探しに来てくれたのに、当の本人である私はこの屋敷の主人とあんな事を…。
すると、シュウちゃんはベッドの近くまで歩み寄り、パニックに陥る私を宥めるように優しい声で話しかけてきた。
「でも、あれはお前の意思じゃないってわかってる!あの男に脅されてムリヤリさせられてる事なんだろっ!?仕事を手伝ってるって言うのもあいつにそう言えって言われたんだろ!?だから、俺と一緒にこんな屋敷から逃げよう!街に着いたらとにかく警察に━━」
「け、警察…?」
「だって、あの男のしてることは立派な犯罪だ!拉致監禁に脅迫、婦女暴行!警察もすぐに動いてくれる。だから、何も心配しなくていい」