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Dolls…
第14章 幼馴染み
警察…?

あ、あ…っ、そっか、警察、か…。


警察で何を言うの…?

何をどう説明するの…?



シュウちゃんにあんな醜態を見られていた、そのショックからか私の耳はシュウちゃんの声と言葉を上手く聞き取れないでいた。

聴覚と思考が一気に壊れてたみたいに、何も考えられなくなっていた。

目の前のシュウちゃんはとにかく心配そうな表情を浮かべている。

「椿!しっかりしろっ!」

「う、うん…」



警察…。

そうだ、警察に行くんだ。

シュウちゃんの言う通り、椎葉さんのやってる事は完全に犯罪で、法に触れてる事で

もし私とシュウちゃんが駆け込んで事情を説明したら椎葉さんは逮捕されるんだ。

今ならシュウちゃんと逃げ出せる。

逃げ出せるはず、なのに…。







「つ、椿…?」

シュウちゃんの必死の呼び掛けに何とか思考は働き、椎葉さんにされて来た仕打ち全てを思い出した。

私が訴えれば椎葉さんは捕まる。

幸い、今ここにいるのはシュウちゃんと私だけだし、頃合いを見計らえばこの屋敷から逃げられる。

…と、ぼんやりとシュウちゃんの目を見ながら考えた。

本当に、そこまではちゃんと考えられたのに…。





「椿…?」

「あの、私…」






椎葉さんが捕まる…?

そして、私は椎葉さんから逃げられる。

願ってもない事だ。

だって、私はあんな人大嫌いで、何度も何度もここから逃げ出したいと願ってたもの。

さっきだって"何故シュウちゃんに全てを打ち明けて逃げなかったの?"と後悔したぐらい。

今度こそ、本当にこれが最後のチャンスだ。

シュウちゃんの言う通り警察に駆け込めば本当に全てが終わる。

私は解放される。





なのに━━━━━━━





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