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Dolls…
第14章 幼馴染み
「え…?」

謝罪じゃなくて、私がシュウちゃんと逃げるという決断を選べばいいのだろうけど、何故かそれが出来ない。

シュウちゃんの気持ちは痛いほど私に届いてる。

だけど━━━━━━










「そうじゃなくて…っ」



━━━━━━━━━━!!「……きゃあっ!」




気づくとシュウちゃんはベッドの近くまで戻って来て、そのまま私の体をベッドへと押し倒した。

私の動きを封じるかのように私の体に股がり、両手を押さえ付けて…。

突然の事で頭が上手く回らない。

この体勢、椎葉さんにならよくされてるから慣れてるけど…、でも、何でシュウちゃんが…?


「な、何…?」

「ごめん、椿。俺、お前に嘘ついた…」


シュウちゃんの腕は押し返そうとしてもビクともせずに私を押さえつけてる。

その体勢の私に語りかけるシュウちゃんの弱々しい声が聞こえた。

「う、嘘…?」

「本当はお前の事を1番に心配してたのは、お前の両親じゃない。俺の方だった」

「う、うん…。そんな嘘なら、別に…」


私が勝手に上京を決意したんだ。

両親からすれば"勝手にしろ"と言いたいところだろう。

それより、シュウちゃんに心配をかけたことは本当に悪いと思ってるし、そんな嘘なら怒るつもりもない。

シュウちゃんらしい照れ隠しの優しい嘘だ。


…なのに、何でだろう。

今のシュウちゃんは堪らなく恐い。


「は、話しはそれだけ?なら、退いて。重いよ…。早く逃げないと、椎葉さんが…」

「それと、もう1つ…」


シュウちゃんの目の色が変わっていく。



その目は、私を弄んだ椎葉さんの目の色によく似ていて



シュウちゃんが私をそんな目で見てるのが、とにかく恐い。





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