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Dolls…
第16章 誘惑の果て







━━━━━あれから、1週間。




シュウちゃんが屋敷を出て行ってから1週間が経った。

私達の暮らしは相変わらずで、椎葉さんは人形造りに勤しんでる。

そしてたまに、あの何でも屋の業者さんが椎葉さんの人形を受け取りに来る。

毎日毎日、部屋にこもり時間を潰すだけだった私は、椎葉さんの書斎で読書をする事が増えた。

読書なんて、漫画ぐらいしか読んだことないし活字の小説には興味がなかったが、椎葉さんの家に漫画なんてものがあるはずもなく

仕方なく、世界的に有名なミステリー小説を毎日のように読み耽っていた。

…これはこれで面白いけど。


広くて大きな書斎には、市立図書館程の膨大な本がずらりと並べられている。

ここならしばらくは暇潰しにもなるだろう。



だけど1つだけ、私達の暮らしで少しだけ変わったところがある。












ドサッ…

「何ですか?これ…」

書斎の椅子に腰掛け本を読む私の足元に椎葉さんはお洒落なデザインの紙袋を置いた。

「服」

「…またですか?」



椎葉さんは、結構な頻度で私に服をプレゼントしてくれるようになった。

最初はこのアパレル関係の紙袋を見た瞬間心が踊った。

紙袋にはブランド名が大きく印刷されているが見たことも聞いたこともないブランド。

きっと外国のハイブランドなんだとドキドキした。

ここに用意されてる服は全部ロリータ調のものばかりで正直生活しづらかったから。

今だって黒を基調とした沢山のレースがついたロリータ服を着てる訳だし。


浮かれながら紙袋を開けたのを覚えてる、が

問題の中身は…



…ガサッ


やっぱり、というか

案の定、新しいロリータ調の服だった。

椎葉さんが私に買い与えてくれる服は全てロリータ調のものばかりだ。


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