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Dolls…
第16章 誘惑の果て
「それじゃぁ、また…」
安藤さんに背中を向けドアを閉めようとしたその時だ。
「その服、可愛いね」
「え?」
安藤さんの言葉に思わず足が止まった。
振り返ると安藤さんは私の姿をマジマジと見つめている。
「その服。フリフリで可愛いね。椿ちゃんによく似合ってる」
「あぁ。ありがとうございます…」
…嫌味かな?
別に好きで着てるわけじゃない、これしかないから着てるだけ。
似合ってるなんて本当に思ってるのかな。
「それって、椿ちゃんの趣味?」
「え…?」
━━━━━ゾクッ
私の趣味、なはずがない。
好きで着てるわけじゃない。
だけど、それをどうして…?
ふっと見ると安藤さんの目は何かを探るように光っている。
「え?な、何で…ですか…?」
「うーん。何と無く…」
何と無く?
何と無く、か。
まぁ、こんなファッションしてる人なんて少数派だし珍しいんだろうな。
こんな服着て椎葉さんと同じ家の中に閉じ籠ってたら変に思うだろう。
「……生きてるうちに1度は着てみたくて。外を歩く勇気はないんですけどね」
「そっか」
「それじゃ、今度こそ本当に失礼しますね」
逃げるようにしてドアを閉めた。
あの人のそばにいると椎葉さんの事を探る前に私の事を暴かれてしまいそうで怖かった。
明るく見えるあの人の笑顔の裏の顔が何だか怖くて怖くて…。
急いで安藤さんの部屋から離れた。
ここにいるだけで心臓がドキドキして、不安と恐怖で押し潰されそうになる。
ミイラ取りがミイラになった気分だった。
安藤さんに背中を向けドアを閉めようとしたその時だ。
「その服、可愛いね」
「え?」
安藤さんの言葉に思わず足が止まった。
振り返ると安藤さんは私の姿をマジマジと見つめている。
「その服。フリフリで可愛いね。椿ちゃんによく似合ってる」
「あぁ。ありがとうございます…」
…嫌味かな?
別に好きで着てるわけじゃない、これしかないから着てるだけ。
似合ってるなんて本当に思ってるのかな。
「それって、椿ちゃんの趣味?」
「え…?」
━━━━━ゾクッ
私の趣味、なはずがない。
好きで着てるわけじゃない。
だけど、それをどうして…?
ふっと見ると安藤さんの目は何かを探るように光っている。
「え?な、何で…ですか…?」
「うーん。何と無く…」
何と無く?
何と無く、か。
まぁ、こんなファッションしてる人なんて少数派だし珍しいんだろうな。
こんな服着て椎葉さんと同じ家の中に閉じ籠ってたら変に思うだろう。
「……生きてるうちに1度は着てみたくて。外を歩く勇気はないんですけどね」
「そっか」
「それじゃ、今度こそ本当に失礼しますね」
逃げるようにしてドアを閉めた。
あの人のそばにいると椎葉さんの事を探る前に私の事を暴かれてしまいそうで怖かった。
明るく見えるあの人の笑顔の裏の顔が何だか怖くて怖くて…。
急いで安藤さんの部屋から離れた。
ここにいるだけで心臓がドキドキして、不安と恐怖で押し潰されそうになる。
ミイラ取りがミイラになった気分だった。