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Dolls…
第18章 パンドラの箱








私をここに閉じ込めた人形のような男性の悪魔。

だけど、それは単なる例えで椎葉さんは歴とした人間。

人間なのだからそりゃ産みの親である母親がいるのは至極当たり前。

神様の気紛れで造られた訳じゃない。


だけど、安藤さんの口振りからして椎葉さんと椎葉さんの母親の間には何かがある。

安藤さんは何かを知ってる。

私の部屋の前で話してた会話からしてもそれは明らかだ。

だけど、安藤さんは教えてくれない。

私が椎葉さんの母親の事を聞こうとした瞬間に口をつぐんでしまったし

奈々さんとの辛い過去を話してくれた安藤さんにこれ以上の詮索は出来ない。





安藤さんに送られて私は部屋に戻った。

部屋に戻ると私の部屋のテーブルの上には椎葉さんが用意してくれたであろう食事が準備されていた。

安藤さんと話したことで冷静さを取り戻した私は、急にいなくなった事や心配かけた事や食事を用意してくれた事へのお礼を言おうとして椎葉さんの姿を探そうとしたが、安藤さんが

「今は秋人に会い辛いだろ?秋人には俺から言っとくから椿ちゃんはゆっくり休んでて」

と、私を気づかってくれた。


確かに、お礼を言おうとしたけど、椎葉さんの口からハッキリと人形扱いされた傷は心に残ってた。

流石にこんな状態で椎葉さんには会い辛い。

「それに今頃、まだ椿ちゃんの事探してるかも知れないから」

安藤さんの言葉に甘えて、私は部屋に残り椎葉さんが用意してくれたであろう食事を食べた。

空腹だったせいかいつもより美味しく感じられた。

そして、食事を済ませた私はベッドに体を沈め、ぼんやりと天井を眺めながら椎葉さんの母親の事を考えていた。





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