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Dolls…
第18章 パンドラの箱

椎葉さんはお母さんと何かしらの確執があるんだ。

安藤さんも必死になって私に隠そうとしたし、椎葉さんの口からお母さんの話を聞いたこともない。



…椎葉さんのお母さんって、どんな人だろう。

椎葉さんに似て綺麗な人なんだろうな。




椎葉さんみたいに、見た目は怖いけど実は優しい人とか?

椎葉さんも昔はお母さんの手料理を食べたりしたんだろうか?

何だか想像がつかない。

あの椎葉さんに幼馴染みがいたってだけでも意外なのに、お母さんまでいるとなると違和感を感じる。

そりゃ椎葉さんだって人間なんだから父親も母親もいて当然だけど


「くすくす…」



あの椎葉さんが…?


寝返りをうち枕に顔を埋めながら椎葉さんの幼少期を勝手に想像した。

何だか可笑しくて、笑いが止まらない。

あの椎葉さんがおねしょしたり、悪さしたりしてお母さんに怒られてる様子を想像した。

小さい頃の椎葉さんの顔も知らないし、どんな子供時代を過ごしたかも知らないのに…。

「くす、くすくす…」








━━━━━ギシッ



「ずいぶんご機嫌だな?えぇ?」

「━━━━━きゃあっ!」




体が一気にベッドに沈んだ。

私1人分の重みから2人分の重みに変わったせいだ。

私の体の上に感じた重み。


「あ…っ、ちょ…っ」

その重みのせいで寝返りが打てずにベッドに沈んだままの体勢になってしまった。

体全体に感じる重みのせいで肺が圧迫されたみたいで苦しい。


「人が必死に探してたっつーのに…」

私の体の上にはいつの間にか椎葉さんが覆い被さっていたのだ。



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