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Dolls…
第3章 人形遊び
私はただ、絵を描きたかっただけ。
もっと絵を学びたかっただけ。
その思いだけで東京に出て来た。
自分の道を見つけたいと、自分を探しに上京したのに。
━悲哀と絶望に満ちた目━
違う…。
私は生きてる…っ。
今ここに、ちゃんと生きてるっ!
ハッ…
頭の奥で響いたその台詞に私の意識はハッと目覚めた。
気がつくとそこは…
見たことのない天井と豪華なシャンデリア。
ここは…?
起き上がる前に視線で周りを見渡すと…
「━━━━━━ッ!!」
部屋中に飾られたフランス人形。
人形と目が合い一気に眠気眼から覚醒してしまった。
起き抜けにリアルなフランス人形と目が合うほど怖いものはない。
「ここは…」
ふかふかのベッドに広い部屋。
その広い部屋中に飾られた無数の人形達。
何でこんなに人形が…?
ボーッとする頭で昨日の事を必死に思い出した。
確か、私…。
絵を描こうと梓の忠告を無視してあの山の人形屋敷に来たんだ。
それで、人形屋敷の写真を撮影してる間に転んで…。
あ、そうだ…、確かフランス人形を踏んでバランスを崩して…
それから…、━━━━それから…っ!
そこまで思い出した瞬間に嫌な記憶が脳裏に甦る。
と、同時に動悸も激しくなりだした。
それから、私…
この屋敷の主に見つかって…
それから、この屋敷の中に連れてこられて…、それから…っ
"いやあああぁぁぁぁぁぁぁああぁっ!!"
「━━━━━━━━━っ!!」