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Dolls…
第19章 泣きながら、あなたを…
「は…?」

そんな格好、って…。

ふっと自分の体を見てみると…。




「━━━っ!!…きゃあああぁぁぁぁっ!!」



私、上半身だけ裸だ。

昨日、背中が痛くて、誰もいないのをいいことに服を脱いで下着1枚だけで寝ちゃったんだった…。

慌てて椎葉さんに背中を向けて露になった胸元を布団を抱え込むように隠した。

最悪だ…。

何で寄りにも寄ってこんなところを…。


しかし、慌てる私を余所に椎葉さんは至って冷静。

「…まぁ、いい。ちょうどいいからそのままにしてろ」

そう言って私の背中に再び薬を塗り始めた。


こっちは慌てて心臓がドキドキしてるのに…。


「……安藤さんは?」

「さぁな。俺に知らせた後は知らね。部屋で寝てんじゃねぇのか?」


昨日はいろいろあって眠りについたのは夜中だったはず。

流石にまだ寝てるかな。

昨日のこと、謝りたかったのに…。


っていうか、今何時だろう…?

椎葉さんに薬を塗られて起きちゃったから今の正確な時間はわからない。

けど、窓から見える外は真っ青で既に朝だと言うことがわかる。

とりあえず、短時間だけど眠れたみたい。


「こんなに血が出るまで放置しやがって。薬は塗ったから痕にはならねぇと思うけど…」

「……すいません」


…っていうか、何謝ってるんだろ、私。

でも、この体勢でよかった。

今は椎葉さんの顔が見れない。


「何だ?素直に謝られた気持ちが悪いな」

「……………。」


背中を伝う椎葉さんの指。

背中の傷より胸の鼓動の方が苦しい。

破裂しそうなぐらいドキドキしてる。

昨日、安藤さんが変な事を言ったせいだ。





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