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Dolls…
第20章 別れの背中

溜め息を着きながら作業部屋のドアにもたれた安藤さんはそのまま俯きながら会話を続ける。
「椿ちゃんといる時のお前は活きてるように見えたけど、俺の勘違いだったみたいだな。あんないい子に思わせ振りな事して、挙げ句奈々と同じようにアッサリ振っちまうんだから…」
やっぱり安藤さんは私と椎葉さんの関係に気づいていた。
私と出会ってから椎葉さんは少しずつだけど変わっていったらしい。
幼馴染みの安藤さんがいうのだからそうなのだろう。
椎葉さんにとって私はそれなりに気に入られてたみたいだ。
だけど、私から椎葉さんを想う事は…。
「まさか、椿ちゃんがここまで秋人に惚れてるなんて思ってなかった。もっと早い段階でわかってたら全力で止めたんだけど…、もしかしたら秋人も椿ちゃんの事が好きなんじゃないかと思って。盛大な勘違いだったみたいだな」
「…何が言いたい?」
人形の頭部をグッと握り締める椎葉さんの手。
まるで、何かを我慢してるかのように。
「…奈々の事は誰も悪くない。お前が奈々を振ったのだってそれ相応の理由があるからだって思ってた。…今までは」
今までは…。
椎葉さんの中の何かにヒビが入る。
それは、触れたら最後、バラバラに砕けてしまいそうなほどに脆いもの。
「椿ちゃんは、俺が貰う。俺がここから連れて行く」
「…………っ!」
「椿ちゃんからしても嬉しい話だろ?いつまでもこんな山奥に閉じ籠ってたくねぇだろうし、自分の事をボロボロに振った男と1つ屋根の下なんて気が狂っちまうだろうし」
安藤さんの声は冷たく、本当に椎葉さんを恨んでるかのようだった。
「椿ちゃんといる時のお前は活きてるように見えたけど、俺の勘違いだったみたいだな。あんないい子に思わせ振りな事して、挙げ句奈々と同じようにアッサリ振っちまうんだから…」
やっぱり安藤さんは私と椎葉さんの関係に気づいていた。
私と出会ってから椎葉さんは少しずつだけど変わっていったらしい。
幼馴染みの安藤さんがいうのだからそうなのだろう。
椎葉さんにとって私はそれなりに気に入られてたみたいだ。
だけど、私から椎葉さんを想う事は…。
「まさか、椿ちゃんがここまで秋人に惚れてるなんて思ってなかった。もっと早い段階でわかってたら全力で止めたんだけど…、もしかしたら秋人も椿ちゃんの事が好きなんじゃないかと思って。盛大な勘違いだったみたいだな」
「…何が言いたい?」
人形の頭部をグッと握り締める椎葉さんの手。
まるで、何かを我慢してるかのように。
「…奈々の事は誰も悪くない。お前が奈々を振ったのだってそれ相応の理由があるからだって思ってた。…今までは」
今までは…。
椎葉さんの中の何かにヒビが入る。
それは、触れたら最後、バラバラに砕けてしまいそうなほどに脆いもの。
「椿ちゃんは、俺が貰う。俺がここから連れて行く」
「…………っ!」
「椿ちゃんからしても嬉しい話だろ?いつまでもこんな山奥に閉じ籠ってたくねぇだろうし、自分の事をボロボロに振った男と1つ屋根の下なんて気が狂っちまうだろうし」
安藤さんの声は冷たく、本当に椎葉さんを恨んでるかのようだった。

