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Dolls…
第20章 別れの背中

「お前と違って俺は椿ちゃんを泣かしたりしねぇから安心しろ」
そう言うと安藤さんは作業部屋から出て行こうとした。
それだけを言い残して部屋から…。
「尚人、お前…」
「ん?」
「お前…、お前は、椿の事が…」
この屋敷から私を連れ出す。
それは、椎葉さんの手から私を奪うと言うこと。
いつか椎葉さんが安藤さんから奈々さんを奪ったように。
しかし、それは椎葉さんから手を出した訳ではない。
椎葉さんが好きでそうなった訳ではない。
なのに、椎葉さんから私を…。
「………さてね。どうでしょう?」
くすっと意味深に笑った安藤さんはそう言い残すと部屋から出て行ってしまった。
━━━━━━バタン…
安藤さんが愛してた奈々さんは、椎葉さんを愛してしまった。
けれど、椎葉さんは奈々さんを拒んだ。
それは何か理由があったから。
タイプじゃなかったからとか理由はいろいろある。
だけど、いくら理由があったとしても自分の愛した女性がボロボロに振られ心を病んでしまったとなると…
頭では仕方ないとわかってても心はそうもいかない。
理屈で片付けられるものじゃない。
自分の愛した女性をボロボロに振った復讐なのだろうか…?
━━━━━━バキッ!
掌に握っていた人形のパーツに彫刻刀を突き立てた。
パーツを突き抜けた彫刻刀が椎葉さんの掌の皮膚を傷つけ、掌からはうっすらと血が滲んだ。
「っくしょ…っ!ちくしょ…っ!」
床にポタポタと滴る血痕。
「どうしようもない…。俺にはどうしようもない…っ」
そう言うと安藤さんは作業部屋から出て行こうとした。
それだけを言い残して部屋から…。
「尚人、お前…」
「ん?」
「お前…、お前は、椿の事が…」
この屋敷から私を連れ出す。
それは、椎葉さんの手から私を奪うと言うこと。
いつか椎葉さんが安藤さんから奈々さんを奪ったように。
しかし、それは椎葉さんから手を出した訳ではない。
椎葉さんが好きでそうなった訳ではない。
なのに、椎葉さんから私を…。
「………さてね。どうでしょう?」
くすっと意味深に笑った安藤さんはそう言い残すと部屋から出て行ってしまった。
━━━━━━バタン…
安藤さんが愛してた奈々さんは、椎葉さんを愛してしまった。
けれど、椎葉さんは奈々さんを拒んだ。
それは何か理由があったから。
タイプじゃなかったからとか理由はいろいろある。
だけど、いくら理由があったとしても自分の愛した女性がボロボロに振られ心を病んでしまったとなると…
頭では仕方ないとわかってても心はそうもいかない。
理屈で片付けられるものじゃない。
自分の愛した女性をボロボロに振った復讐なのだろうか…?
━━━━━━バキッ!
掌に握っていた人形のパーツに彫刻刀を突き立てた。
パーツを突き抜けた彫刻刀が椎葉さんの掌の皮膚を傷つけ、掌からはうっすらと血が滲んだ。
「っくしょ…っ!ちくしょ…っ!」
床にポタポタと滴る血痕。
「どうしようもない…。俺にはどうしようもない…っ」

