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Dolls…
第20章 別れの背中

安藤さんとここを出る。
椎葉さんから離れる?
そんな事、考えたこともなかった。
この屋敷に連れて来られた当初はこの屋敷から逃げ出すことばかり考えてたのに、最近じゃそんな事すら考えてなかった。
シュウちゃんが助けに来てくれた時ですら私は椎葉さんの元にいることを選んでしまった。
なのに再び、いざ逃げられるチャンスを目の当たりにした今、私の心は泣き出しそうなぐらいに嫌がってる事に気づいた。
傍にいたい…。
傍にいたいと泣いてる…。
「急にごめんね…。こんな話しちゃって…」
「あ、いえ…」
そう言いつつも、私の心はざわついてる。
落ち着かない。
せっかく出て来た食欲も一気に消え失せてしまった。
それどころか考えすぎたせいで胃に押し込んだお好み焼きが逆流して来て吐きそうだ。
安藤さんは私を助けようとしてくれただけ。
私に奈々さんを重ねてるだけかも知れないけど、これ以上椎葉さんの手によって傷つけられないようにと…。
なのに、こんな時ですら私の心のど真ん中には椎葉さんがいる。
「俺、明日の夜には家に帰るんだ!すっかり長居しちゃってごめんね!」
「あ、明日の夜…?」
「うん。だからもし、俺と来たくなったら言ってね。すぐにでも連れ去るから」
明日の夜。
明日の夜、安藤さんはこの屋敷を出ていく。
もし答えを出すとしたら明日の夜までだ。
楽になりたい。
椎葉さんの事で泣くのはもう嫌だ。
このままずっと、こんな想いを抱えるなんて私には出来ない。
だけど、椎葉さんの元を離れるなんて今は考えられない…。
安藤さんは立ち上がり、膝を返すとそのままドアの方へと歩いて行く。
椎葉さんから離れる?
そんな事、考えたこともなかった。
この屋敷に連れて来られた当初はこの屋敷から逃げ出すことばかり考えてたのに、最近じゃそんな事すら考えてなかった。
シュウちゃんが助けに来てくれた時ですら私は椎葉さんの元にいることを選んでしまった。
なのに再び、いざ逃げられるチャンスを目の当たりにした今、私の心は泣き出しそうなぐらいに嫌がってる事に気づいた。
傍にいたい…。
傍にいたいと泣いてる…。
「急にごめんね…。こんな話しちゃって…」
「あ、いえ…」
そう言いつつも、私の心はざわついてる。
落ち着かない。
せっかく出て来た食欲も一気に消え失せてしまった。
それどころか考えすぎたせいで胃に押し込んだお好み焼きが逆流して来て吐きそうだ。
安藤さんは私を助けようとしてくれただけ。
私に奈々さんを重ねてるだけかも知れないけど、これ以上椎葉さんの手によって傷つけられないようにと…。
なのに、こんな時ですら私の心のど真ん中には椎葉さんがいる。
「俺、明日の夜には家に帰るんだ!すっかり長居しちゃってごめんね!」
「あ、明日の夜…?」
「うん。だからもし、俺と来たくなったら言ってね。すぐにでも連れ去るから」
明日の夜。
明日の夜、安藤さんはこの屋敷を出ていく。
もし答えを出すとしたら明日の夜までだ。
楽になりたい。
椎葉さんの事で泣くのはもう嫌だ。
このままずっと、こんな想いを抱えるなんて私には出来ない。
だけど、椎葉さんの元を離れるなんて今は考えられない…。
安藤さんは立ち上がり、膝を返すとそのままドアの方へと歩いて行く。

