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Dolls…
第23章 危険な香り
髪の毛を拭くために肩にはタオルをぶら下げて、もう片方の手は電話の終話ボタン。
そして、背後から私を見下ろすその目は私を鋭く睨み付けていた。
「あ…」
思わず受話器を握っていた手の力が抜けてしまう。
安藤さんの瞳は明らかに怒っていた。
いや、怒ってるなんてものじゃない。
冷たく、まるでドライアイスのように触れればけがをしてしまいそうなほどに。
「あの…っ、私…、ずっと電話が鳴ってて、もしかしたら安藤さんの仕事関係の電話かと思って、それでつい…っ」
聞かれてもいないのに、言い訳がましく次々に言葉を発した。
安藤さんのプライバシーに勝手に足を踏み入れてしまったのだから怒られても仕方無いが、安藤さんのこの瞳がとにかく怖かった。
「……電話の相手は秋人?」
「あの…っ」
ニコリと笑う安藤さん。
しかし、その笑顔が逆に怖かった。
怖くて怖くてその場から後ずさりしてしまう。
「秋人何か言ってた?」
「いえ、な、何も…」
後ずさりをする私を追うように安藤さんの足がじりじりと私に迫ってくる。
な、何…?
怖い…。
何の音もしない静かなこの部屋、私を追い詰めるような安藤さんの瞳が怖くて仕方無い。
背筋がゾクッと逆立つ。
「ふーん。何も言って来なかったんだ…」
嘘なんか付いてない。
椎葉さんからの用事は聞けずじまいだったけど椎葉さんとは何の会話もしていない。
ただ、私が安藤さんのマンションにいるのを不思議がっていたけど。
安藤さんから逃げるように後ずさりをしていたが、見えぬ後方の足元。
少しの段差か何かに躓いてしまい…
「あの、あっ━━━━」
ドサッ!!
私はその場に尻餅を着くように倒れてしまった。
そして、背後から私を見下ろすその目は私を鋭く睨み付けていた。
「あ…」
思わず受話器を握っていた手の力が抜けてしまう。
安藤さんの瞳は明らかに怒っていた。
いや、怒ってるなんてものじゃない。
冷たく、まるでドライアイスのように触れればけがをしてしまいそうなほどに。
「あの…っ、私…、ずっと電話が鳴ってて、もしかしたら安藤さんの仕事関係の電話かと思って、それでつい…っ」
聞かれてもいないのに、言い訳がましく次々に言葉を発した。
安藤さんのプライバシーに勝手に足を踏み入れてしまったのだから怒られても仕方無いが、安藤さんのこの瞳がとにかく怖かった。
「……電話の相手は秋人?」
「あの…っ」
ニコリと笑う安藤さん。
しかし、その笑顔が逆に怖かった。
怖くて怖くてその場から後ずさりしてしまう。
「秋人何か言ってた?」
「いえ、な、何も…」
後ずさりをする私を追うように安藤さんの足がじりじりと私に迫ってくる。
な、何…?
怖い…。
何の音もしない静かなこの部屋、私を追い詰めるような安藤さんの瞳が怖くて仕方無い。
背筋がゾクッと逆立つ。
「ふーん。何も言って来なかったんだ…」
嘘なんか付いてない。
椎葉さんからの用事は聞けずじまいだったけど椎葉さんとは何の会話もしていない。
ただ、私が安藤さんのマンションにいるのを不思議がっていたけど。
安藤さんから逃げるように後ずさりをしていたが、見えぬ後方の足元。
少しの段差か何かに躓いてしまい…
「あの、あっ━━━━」
ドサッ!!
私はその場に尻餅を着くように倒れてしまった。