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Dolls…
第23章 危険な香り
モニターから椎葉さんの姿が完全に消えた。
と、同時にそれは私と椎葉さんの別れを意味していた。
屋敷から自由にしてもらった時よりも更に深い別れだ。
椎葉さんの姿が完全になくなったところでやっと安藤さんの腕が私の首と口から離れた。
が、時既に遅し、だ。
「はぁ…っ、たく、ビビったぁ」
安藤さんの指がモニターの停止ボタンを押すとモニターの電源が切れ外部カメラの映像が遮断された。
そして、私の体は…
━━━━ドスンッ
その場に座り込むようにして崩れ落ちてしまった。
椎葉さん…。
椎葉さん、椎葉さん…。
変だな…、心はもう何も感じないのに何故か頬が熱い。
瞳から流れる涙が熱くて…、涙で視界もボヤけて…
心は凍ったように動かないのに、涙だけは止めどなく溢れてくる。
「ま、ここまで牽制すりゃ暫くは秋人に邪魔される心配はねぇな」
邪魔…?
邪魔って、何?
あんな嘘をついて椎葉さんを傷つけた…。
椎葉さんだけじゃなく私の気持ちも無視して、こんなところに閉じ込めた。
「……大丈夫?椿ちゃん」
同じようにしゃがみこみ私の顔を覗きこむ安藤さん。
言いたいことや文句はいっぱいあるのに、言葉が出てこない。
それどころか、安藤さんに対する怒りすらあまりリアルに感じれない。
「大丈夫だよ…。俺がそばにいてあげるから…」
安藤さんの手が私の頭を撫でた。
それはまるで、小さい子をあやすように。
「秋人なんかよりずっとずっと…」
椎葉さん…。
椎葉さん…。
今、私の頭を撫でてるのは安藤さんなのに、私の頭の中には椎葉さんの顔しか思い浮かばない。
と、同時にそれは私と椎葉さんの別れを意味していた。
屋敷から自由にしてもらった時よりも更に深い別れだ。
椎葉さんの姿が完全になくなったところでやっと安藤さんの腕が私の首と口から離れた。
が、時既に遅し、だ。
「はぁ…っ、たく、ビビったぁ」
安藤さんの指がモニターの停止ボタンを押すとモニターの電源が切れ外部カメラの映像が遮断された。
そして、私の体は…
━━━━ドスンッ
その場に座り込むようにして崩れ落ちてしまった。
椎葉さん…。
椎葉さん、椎葉さん…。
変だな…、心はもう何も感じないのに何故か頬が熱い。
瞳から流れる涙が熱くて…、涙で視界もボヤけて…
心は凍ったように動かないのに、涙だけは止めどなく溢れてくる。
「ま、ここまで牽制すりゃ暫くは秋人に邪魔される心配はねぇな」
邪魔…?
邪魔って、何?
あんな嘘をついて椎葉さんを傷つけた…。
椎葉さんだけじゃなく私の気持ちも無視して、こんなところに閉じ込めた。
「……大丈夫?椿ちゃん」
同じようにしゃがみこみ私の顔を覗きこむ安藤さん。
言いたいことや文句はいっぱいあるのに、言葉が出てこない。
それどころか、安藤さんに対する怒りすらあまりリアルに感じれない。
「大丈夫だよ…。俺がそばにいてあげるから…」
安藤さんの手が私の頭を撫でた。
それはまるで、小さい子をあやすように。
「秋人なんかよりずっとずっと…」
椎葉さん…。
椎葉さん…。
今、私の頭を撫でてるのは安藤さんなのに、私の頭の中には椎葉さんの顔しか思い浮かばない。