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Dolls…
第25章 最後の真実
寝転びながら見える椎葉さんの背中を眺めながら思った。

この人はこの背中に何を背負って来たのだろう。

ずっと言葉にすることが出来なかった過去を背負って

あの屋敷でずっと1人で…?

どれだけ長い時間を1人で過ごしたのだろう。

どれだけ長い1人の夜を過ごして来たのだろう、と。

そして、私は…

椎葉さんを苦しめてる過去を少しでも和らげてあげたいと思ったんだ。

安藤さんのものにされそうになったあの瞬間から━━━━。

私には何も出来ないかも知れないけど、せめて椎葉さんを苦しめてる"過去"と言う名の荷物を

例え半分でもいいから預けて欲しい。



「…全部、話して下さい」

「………。」

「もう私は…、何を聞いても驚きませんし、その…」



往生際が悪いなと自分でも嫌になるけど、私に出来るのはこれぐらいだ。

だけど、それで椎葉さんの気持ちが少しでも落ち着くなら。

椎葉さんが少しでも安心してくれるなら。

また拒絶されるかも知れないけど…、それでもこれだけは伝えたかった。


「私はもう…、椎葉さんのそばを離れませんからっ!」

「━━━っ!」


…1度は振られた男性にこんな事を伝えるべきじゃない。

椎葉さんからしてみれば迷惑かも知れないけど

椎葉さんを苦しめてる過去を受け止めさせて欲しかった。

これから先、ずっと椎葉さんの人形でもいいから私は椎葉さんのそばにいたい。

いさせて欲しい。



━━━━━……。


しんっと静まり返る車内。

私の決心したかのような一言の後には長い長い沈黙が待っていた。



……お願い、椎葉さん。

何か言ってよ…。

それとも、私の言葉はやっぱり迷惑だったの?


「あ、あの…」

不安になってしまった私はおずおずと声を出し椎葉さんの反応を伺った。

この体勢とこの位置じゃ椎葉さんの表情が見えなくて不安になってしまう。

もしかして、やっぱり迷惑だったのかな?


「……思えば、俺のこの性格のせいでお前にまで迷惑をかけた」

「え…?」

「もうお前には俺の事を知る権利があるのに…」


━━━━っ!!


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