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Dolls…
第26章 Dolls…
物凄いスピードで足場の悪い坂道を登って行く車。

その度に車体がガタガタと振動して車内に寝転ぶ私の体が宙に跳ねる。

まるで遊園地にある粗悪なアトラクションのように。

転げ落ちそうな重圧を感じていたが幸い座席のシートは柔らかいから痛みは感じないけど…、もう少し安全運転にして欲しい。

…何て、そんな事言える雰囲気じゃないけど。



一体どんな道を走ってるのだろうと、寝転びながら後部席の窓を見上げてみると…

豪雨が叩きつける窓から見えるのは鬱蒼とした木々の陰が見えた。

どうやら本当に山道を走ってるようだった。

こんな山奥で一体何をしようと言うのか…?

それに、こんな天気の日に山奥に入るなんて…、土砂崩れにでもあったら大変なのに。




足場の悪い道を猛スピードで走行する椎葉さんを心配したが、椎葉さんの運転は思いの外慣れてるようで、私の心配等吹き飛ばすかのように冷静な雰囲気で車を走らせていた。

どうやらこの道は椎葉さんにとっては慣れてる道のようだった。



そして、そんな足場の悪い道が5分程続いた後、車はようやく平坦な道に出たようで激しい振動はなくなった。

車内に響くエンジン音も落ち着き体に感じてた重圧もなくなっている。

どうやら坂道を登りきったようだけど、平坦な道に出たってことはここは山頂?

こんな豪雨の日に車で山を登るなんて、一体椎葉さんは何処へ向かってるというのだろうか…?



少しの不安を感じていると車は再び徐行運転になった。

信号なんてあるはずない山頂で徐行してるということは、この辺に車を停車させる気なのだろう。

私の予想は当たってたらしく車はゆっくりと位置を確認するかのような動きになり徐々にその動きを止めようとしている。






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