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Dolls…
第26章 Dolls…
車の動きを止めると、椎葉さんはギアを引きサイドブレーキをかけると車のエンジンを切ってしまう。
やっぱりここに駐車させるつもりだったんだ。
で、こんな不気味な山奥で何の話をしようというのだろうか?
エンジンを切ったところで外は物凄い雨。
車体を殴り付ける雨脚のせいで車内には物凄い衝撃音が響いている。
こんな状態で話なんて出来るのだろうか…?
何て事を考えていると…。
━━━━ガチャ
「着いた。降りるぞ」
「……えっ!?」
何と椎葉さんはこの大雨が降り注ぐ中、車のドアを開けて外へと出てしまった。
予想外の出来事に思わず大声で驚いてしまった。
ちょ、ちょっと待って…っ!
降りるって何?
こんな大雨の中、どうして車から降りるの?
っていうか、大雨の中、こんな山頂で何をしようと言うのっ!?
すると、今度は後部席のドアが開き椎葉さんが顔を見せた。
私の足元のドアを開け狭い車内の中へ押し入って来る椎葉さん。
「ちょっ、椎葉さん…っ!?」
「動くな。じっとしてろ」
椎葉さんの手が私の首もとに伸びてきた。
その時、私はあることを思った。
まさか…、映画やドラマみたいに全てを知った人間は抹殺する掟、とか…?
このままここで首を絞めてこの山奥に埋めてしまうとか…?
現に私は椎葉さんの屋敷の中の事ならある程度はわかってる人間だし、もしかしたらこのまま消されてしまうのか…?
今の私は薬で体が動かないし、こんな山奥じゃ叫んでも怒鳴っても誰も来ないし、こんな山奥なら埋めても発見される心配はないし。
嫌な考えが次々に頭を過る…。
「ま、待ってっ!椎葉さ━━━━━」