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Dolls…
第26章 Dolls…
「の、望んでなかったって…」
話を聞いてる限り、お母さんは本気で椎葉さんの事を愛してるようだ。
それは、話の内容からしても明らかだ。
本気で椎葉さんの事を想い、椎葉さんの気持ちを汲んで、椎葉さんに好きな道を歩んで欲しいと願う理想の母親像だ。
なのに、どうしてそんな━━━━…っ。
「どうして、そんな事…」
「病状が悪化して危篤状態に陥った母親に言われたんだ…。
"お前は私の子じゃない"
"お前なんて知らない"と…っ。
その言葉を最後に母親は息を引き取った…。
俺と母親の最後の言葉だ…」
ズキ…
な、何…?
何なの、その台詞…。
お母さんは椎葉さんの事を愛してたんじゃないの…?
どうしてそんな台詞を…。
思わず言葉を失ってしまった。
もしかして、これ…?
これが、安藤さんも知り得なかった真実なの…?
これが…。
気持ちも頭も付いて行かない。
しかし、椎葉さんは私の気持ちなど待たずに話を進めていく。
「ずっと後になってからわかった事だが、母親はバツイチって奴だったんだ…。
親父と結婚する前に別の男性と結婚してた…。
その男との間には子供までいた…。
興信所に通って親父の周りの知人に聞きまくったんだ…」