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Dolls…
第26章 Dolls…
そう言いながら椎葉さんは私の頬に優しく触れた。

頬を伝う私の涙を拭ってくれた、が

次から次に溢れる涙を止めることなんて出来なかった。




「こんな屋敷に閉じ込めて悪かった…。お前はもう自由になっていい…」

「え…?」




自由になっていいって、どういうこと?

椎葉さんの姿が涙で滲んでちゃんと見れない。

泣き顔のまま椎葉さんを見つめた。

その言葉の意味を知りたくて…。





「自由にって…」

「お前のアパートは大丈夫だ。解約扱いにならないように生活費は振り込んでおいたから」

「そ、それって…」

「慰謝料としてそれなりの額なら支払える。お前はそれで夢を叶えろ」




……つまり、それって。

私にここから出て行けと言ってるの?

ここから出て元のアパートに戻れって言ってるの…?

慰謝料?夢を叶えろ?

椎葉さんと離れて美大への道を進めと言ってるの…?




「椎葉さんは、どうするんですか…?」

私がここを出て行った後、椎葉さんはどうなるの?

私は自分の決めた道を歩むとしても、ここに残る椎葉さんはどうするの?

また、この屋敷で1人で…。


「俺の事は気にするな。1人は慣れてる…」


…私がいなくなったら椎葉さんはまた1人になる。

この山奥の屋敷で1人っぼちで、これからもずっと人形と暮らし続けるの?

ガランッとしたこの屋敷で1人で。



全てを話終えた椎葉さんはソファから立ち上がり窓辺の方へと歩き窓の外の空模様を眺めた。

窓の外はまだ豪雨で空からは雷鳴。

時折、空を駆け抜けるような稲妻。


「この雨じゃ今日は帰れそうにないな。お前が使ってた部屋はそのままだから今日はここに泊まればいい。明日の朝には晴れるだろうから迎えをよこすし服も用意させる。明日の朝にはここを出ろ」




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