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Dolls…
第26章 Dolls…
ここを出て行く?

椎葉さんの元を離れる?


心配そうな表情を浮かべる私に気づいた椎葉さんは再び渡しの元へ戻るとソファに腰かけた。

そして、小さい子供をあやすように私の頭に触れた。

優しく、宥めるように私の頭を撫でてくれた。


「心配するな。もうお前には何もしない」





ここから出て行ったら、もう椎葉さんに会えない。

もう椎葉さんに触れてもらえない。

それに、椎葉さんはまたこの屋敷で1人。

明日の朝にはまた椎葉さんと離れ離れになってしまう。



安藤さんとこの屋敷を出た時よりも心が締め付けられる…。

もう椎葉さんには会えないと思っただけで心がちぎれそうになる。




椎葉さんともう会えなくなるなんて…、嫌だ…っ。

椎葉さんに触れてもらえない。

椎葉さんの顔も見れない。

もう…、椎葉さんに会えない…?




椎葉さん…っ!














「か、勝手な事言わないで━━━━━━っ!!」
















「……お、おい」

気づくと、私は椎葉さんの胸に飛び込んでいた。

椎葉さんの胸元を掴むように、椎葉さんの胸にしがみついていた。

突然の事で一瞬椎葉さんの体がバランスを崩したが、何とか体勢を立て直し胸元にしがみつく私を支えてくれた。

安藤さんの家で飲まされた麻酔薬の効き目が切れて来たのか私の体の力が少しずつ戻り初めてるようだ。


「椿…?」


椎葉さんから離れる。

椎葉さんと会えなくなる…、そう思っただけで胸を抉られたような気がした。

苦しくて痛くて…、辛い。

その証拠に椎葉さんの胸に飛び込んだ瞬間から涙が止まらなくなってしまっている。



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