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Dolls…
第26章 Dolls…
「本当に…、気が狂いそうだった…っ」
私に触れてる椎葉さんの腕が微かに震えてる。
そして、私を弄んでる椎葉さんの体。
ふっと見ると…
「あ…っ」
服の上からじゃわからなかったけど、いつもいつも私を弄んでた椎葉さんの逞しい体が少し痩せていた。
どっしりとした胸板はそのままだけど、少しだけ肋骨が浮き出ている。
ソファの背もたれにかかっている腕も心無しか細くなってる気がするし、よく見ると頬も少し痩けたように見える。
私がいなくなってから何も食べてないかのように痩せていた。
嬉しさと切なさと、喜びと快楽が頭の中で交差する。
言葉では上手く表現出来ない。
だけど、私の胸は幸せな気持ちで満ち溢れていた。
今まで感じたことのないような幸せな気持ち。
夢なら…、夢ならどうか永遠に醒めないで欲しい。
このまま、私の息さえも止まっていい。
「……椎葉さん、私も」
まるで子供みたいに怯えるこの人を守ってあげたい。
私はどこにもいかないし、誰のものにもならない。
私の主は椎葉さんだけ。
私を囚えることが出来るのは椎葉さんだけだ。
「何処にも行きません…。私は椎葉さんのものです…」
痩せた椎葉さんの頬に両手を伸ばし椎葉さんの顔を引き寄せた。
これは…、これは口づけじゃない。
愛のこもった口づけじゃない。
私は椎葉さんのものだ、という契約の証。
椎葉さん、あなたが恐れるなら、私はただの人形になる。
椎葉さんの好き勝手にされる人形。
だけどそれは…、私の愛のカタチ。
私が勝手に椎葉さんの人形になると決めただけの事。
「椿…」
そう。
私はあなたの人形。