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Dolls…
第26章 Dolls…
散り散りに動く椎葉さんの指の動きが淫らな私の本性を暴いていく。

ソファをガタガタと揺らして体を捻りながら私は絶頂を迎えた。

頭の中で火花が散ったみたいに何かが弾けて真っ白になった。

もう…、何も考えられない…。


「あぁ…んっ、はぁ、はぁ…」

身体中が痙攣して、力が入らなくて、椎葉さんの声すらちゃんと聞こえない。

息を吐きながら体力が戻るのを待った。

絶頂に達し過ぎたせいで体が可笑しくなったように感じる。

さっきまで感じてた恥ずかしさももう感じなくなっていた。


「諦め切れなかった…。どうしてもっ、お前だけは…っ」

椎葉さんの弱々しい声が聞こえる。

それは、消え入りそうな小さな声で…、まるで祈るかのような声と言葉で。





椎葉さんが何か話してる…。

ちゃんと上手く…、全てを聞き取る事は出来ない。

だけど、少しだけなら聞き取れる。

私にとって凄く幸せな言葉…。

甘い甘い、幸せな夢の中にいるような言葉…。




虚ろな目で椎葉さんを見上げると、今まで見たことのない椎葉さんの姿が見えた。

とても弱々しく、今にも泣き出しそうな子供みたいな顔で私を見つめている。

その表情を見ただけで私の胸は強く強く、切ないぐらいに締め付けられた。

私まで釣られて泣き出しそうになる。

椎葉さんの表情が…、まるで椎葉さんも私の事を好きだと言ってくれてるようで…。


「椎葉さん…」

「誰にも渡したくない。お前は俺だけの━━━━…っ」


椎葉さん…。



椎葉さんも、私の事を想ってくれてるの?

私と同じように、椎葉さんも私の事を…?

そんな…、今にも泣き出しそうな顔をしながら私の事を想ってくれてたの?


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