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Dolls…
第4章 瞳の奥
「ま、待って!その写真…っ」

「心配するな。俺が自分で現像するんだ。━━━━最高の人形が出来そうだ」


そう言って椎葉さんは部屋から出ていった。

ドアを完全に閉めるとこの部屋は真っ暗な闇に包まれてしまうからか、隣の部屋と繋げているドアを開けっ放しにして。


…よかった。

あんな写真、例え現像の為とは言え見ず知らずの写真店の人に見られるのかと思ったけど。



床には切り刻まれたドレスの布の残骸が散乱している。



…このドレス、凄く高そうなのに、こんなバラバラに切り刻んじゃった。

まぁ、あの人にとったらこんなドレスは安物に過ぎないんだろうけど。

それに、地下なだけあって空気がひんやり冷たい。

このままじゃ本当に風邪を引いてしまう。

椎葉さんが言ってた、スタジオにあるシャワーでも借りようかな?

着替えは用意しておくって言ってたけど、まさか女性ものの服まで用意してあるとか?

…椎葉さんが買いに行ったとか?

あんな凄い人が女性用の服を買いに…?

「バカみたい…あはは…っ、はは…」



涙が止まらない。

「ひっ、ひっく…」




私は、こんな未来を望んだ訳じゃない。

こんなモデルをするために東京に来たんじゃない。

こんな…っ。

「ひっ、ひぃんっ…ふぇ…」

静かな地下室に私の泣き声だけが響く。




ひんやりとした肌に感じる冷たい空気。

本当に、いっそこのまま心ごと壊れてしまえば楽なのに。



誰の助けもない山奥の大きな屋敷の地下に、私の泣き声だけが木霊した。








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