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記憶にない初恋、その追憶
第3章 承-2
命じられたわけでもないのに、私は演奏椅子の下にひざまずき、彼の足の間に頬ずりを寄せる。
ためらいなく性器を口に含み、どうしたら彼にこのどうにもならない感情が伝わるのか、そればかりを考えていた。
口で受け止めた精液を飲み干す時には立ち上がらされ、彼は私の動く喉にそっと口付けをくれた。
それから椅子の上に寝かされたが、半端な大きさだから頭が半分落ちる。
今度は彼がひざまずき、ダラリと垂れた私の二本の足の間に顔を埋めた。
見えないのに、じっと見られているのがわかる。
二本の指で丁寧に押し開かれた襞の間に尖った舌が浅く侵入し、私の恥ずかしい液体を掻き出す。
クチュクチュクチュクチュ…
漏れる隠微な音すら、止め忘れたメトロノームに乗って、規則正しい。
私は落下を気にしてピアノの黒い脚に片手でつかまり、相応しくない声を抑えるため自分の指を口に含んでいた。
ほんの少し前、彼のものにそうしていたのを思い出しながら。