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妖婦と呼ばれた女~哀しき恋歌~
第4章  【弐】
「その顔は、俺の話を信用しておらぬということだな。よし」
 嘉宣は眼を閉じた。
「前日も昨日も今日も見つれども 明日さえ見まく欲しき君かも」
 すらすらと口を突いて出てきたのは和歌だった。
「これでどうだ? 今の俺の想いを歌に託してみたのだが」
 橘乃が笑いながら応える。
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