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妖婦と呼ばれた女~哀しき恋歌~
第4章 【弐】
「殿のお母上さまなれば、私にとってもお姑さま、お義母(はは)上さまに当たる方が折角下されたのじゃ。頂いたお薬を飲まぬわけにはゆかぬ」
「なりませぬ! お方さま。春瑶院さまがお方さまのご懐妊をご存じであったことも面妖といえば面妖」
確かに、浪江の言葉は道理だ。橘乃の懐妊は嘉宣によって固く箝口令がしかれていた。なのに、下屋敷に離れて暮らしている春瑶院が何故、知っているのか。
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