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妖婦と呼ばれた女~哀しき恋歌~
第6章  【四】
「そなた、取り次ぎに出た歌(うた)山(やま)に、物騒なことを申したそうな」
―ただ今、上屋敷において、げに怖ろしき謀が進んでおります。
 考えようによっては、春瑶院にとって邪魔者を一網打尽にする千載一遇の機会となるかもしれない。
 春瑶院が水を向けると、琴路はあっさりと頷いた。
「は、実は、私、十日ほど前に怖ろしい話を耳に入れましてございます」
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