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妖婦と呼ばれた女~哀しき恋歌~
第6章  【四】
 この奥向きの一室に押し込められて、既に半月余りが経過した。不思議なことに、日毎に自分の身体が透き通って、心まで透明になってゆくように思える。このままゆけば、いずれ真冬の凍てつく大気に溶けて、なくなってしまうのではないかと思うほどに。
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