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妖婦と呼ばれた女~哀しき恋歌~
第6章  【四】
「最早、やむを得ぬこと。元々、この世に縁薄き子だったのでしょう。良いのです、この母も共に逝くのですから、この子も淋しくはないはず。あの世でこの子をしっかりと抱きしめてやろうと思う」
「うっ、ううっ」
 浪江が橘乃の膝に顔を押しつけて泣く。
「お労しや、お労しや」
 橘乃はしばらく浪江の背を撫で続けていたが、やがて静かな声音で言った。
「浪江、済まぬが、しばし外に出ていってはくれぬか」
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